
Algumas Cores
Uma Japa Com Alma Brasileira
MAKOファースト・ソロアルバム "Algumas Cores-いくつかの色" (2010)


海外ニュース(ブラジル)
モノブロコやピアノオーケストラにも参加する、ブラジル、リオデジャネイロ在住の日本人女性歌手MAKO(マコ)の、ファースト・アルバム『アルグマス・コーリス(いくつかの色)』が、同地で制作され、発表された。リオでの発表ライヴも予定されている。
リオ在住8年の彼女が手探りで掴んだ人脈と共に制作されたアルバムには、彼女が切り取った現在のリオの音楽が、真摯に、鮮やかに、かつ、はっきりと映し出されている。プロデューサーには、本人が以前から愛聴したアルバム『ヒタ・ヒベイロ/テクノマクンバ』のプロデューサーのイスハエル・ダンタスを紹介され、意気投合。イスハエルは他にもアルシオーニやエルザ・ソアレスらの作品を手がけ、またギタリストとして、マリア・ベターニア、アナ・カロリーナやゼー・ヘナートのバンドにも参加してきた。またアルバムの、ゲストには、ホベルト・メネスカル、ホベルチーニョ・シルヴァらが参加。
ラパ地区が再興し良質のMPBの発信地となり、特に同地区のサンバ新世代の音源は日本にも届いている。今の彼女は、そんなラパ地区に活動の拠点だけでなく、生活の拠点もある。歌手としてだけでなく、モノブロコらの、ラパで活動するいくつものバンドのメンバーとしても活動を続ける彼女は、そこで今のリオの音楽をたっぷりと吸い込んできた。このアルバムに特徴的な、カリオカ的に清々しく伝統と現在を一緒にしてしまえる才能は、まさに日々の生活や活動の中で自然に培ってきたもの。
全13曲。作品の1曲1曲に、自身の伝記的な内容が込められているが、日本語の歌は1曲もない。これはマコのMPB歌手としての将来を見据えたプロデューサーのイスハエルの意向だ。彼女が取り込んだ音楽の、地域的かつ時代的な広範囲の広がりも特徴的で各曲のプロフィールも様々だが、新曲、未発表曲としてこのマコによってこのアルバムで初めて息が吹き込まれたのは5曲。それらが、ノエル・ホーザやカルトーラ、カイミの名曲と並んで違和感がない。
全曲に触れるスペースがないのが残念だが、個人的なおすすめ曲が、マラニャオンのコンポーザーの80年代のヒット曲を取り上げた4曲目「花のエネルギー」と、沢田穣治とマコとの共作の新曲の8曲目「頭から足の先までびしょ濡れ」。リオの瑞々しい音楽シーンの雰囲気を隅々に感じられるアルバムの中で、この2曲を愛聴してしまうというエピソードで本アルバムのMPBとしての懐の深さが感じられないかと思う。
マコを良く知る女性音楽プロデューサーに話を聞く機会があったのだが、彼女を称して「ゲヘイラ(女戦士)」と言った言葉が、忘れられない。リオに渡った当初は、ポルトガル語も不自由だったという彼女が、体当たりの生活の中で出会った同地の音楽家の繋がりで作り上げた作品の完成度と、そのカリオカっぷりを、女戦士の凱旋を祝福するように、讃えたい。
商品詳細情報
モノブロコに8年間在籍し、リオ・デ・ジャネイロのラパ
というサンバのメッカで音楽活動を続け、そのネットワークを
築いて来たMAKO。初のソロ・ワークスによるアルバムは
築き上げて来た人脈と、自身の音楽素養を結実させた意欲作。
MPBを代表する著名、若手コンポーザー、日本人コンポーザー
そしてオリジナル曲を集めた作品であり、Israel Dantas
(イスハエル・ダンタス)が、音楽プロデューサーを手掛ける。スペシャルゲストとして、Roberto Menescal(ホベルト・メネスカル)、Robertinho Silva(ホベルチーニョ・シルヴァ)、そしてSushi na Brasa(スシ・ナ・ブラーザ)が録音に参加。作品の1曲1曲に自伝史的な内容が込められている。ブラジル音楽(サンバ、ボサ・ノヴァ、ショーロ)の生地であるリオ・デ・ジャネイロで活動しているMAKOが、現在のブラジル音楽を集結したアルバム。

音楽プロデューサー: ISRAEL DANTOS
編曲 ( 3, 6, 11 e 13を除く ): ISRAEL DANTOS
(特別ゲスト: Sushi na Brasa) - 3, 6, 11曲目
音楽ディレクター、編曲: ALESSANDRO VALENTE
1. Alguém que Chora (Edu Krieger)
2. Céus do Sul (Jyoji Sawada / Marcos Campello)
3. Cansei de Pedir (Noel Rosa)
4. Engenho de Flores (Joseias Sobrinho)
5. Que Sejas Bem Feliz (Cartola)
6. Você já foi à Bahia ? (Dorival Caymmi)
7. Parte coração (Pedro Luís)
9. Japa (Roberto Menescal / Paulo César Feital)
10. Tudo Teu (Fred Martins / Marcelo Diniz)
11. Para Fazer Um Bom Café (Baden Powell / Vinícius de Moraes)
12. Algumas Cores (Claudia Castelo Branco / Marcos Campello)
13. Manauara, Volta mar (Marcos Campello / Masako Tanaka)